二つのthatを使い分けよう

こんにちは!

レッスン中、学習者様より素晴らしい質問をいただきました。この記事をお読みいただいている皆様とあらためて学びを深めるよい機会です。よろしくお願いいたします。

thatは、代名詞の他に大きく二つの役割を持っています。今回は、接続詞のthatと関係代名詞のthatの違いと使い分けについて、具体例とともに詳しく説明いたします。

接続詞のthat:思考や発言を繋ぐ架け橋

I believe that she will pass the exam. (彼女は試験に合格すると思います)

この文のthatは接続詞として機能しています。接続詞のthatは、主節と従属節を結ぶ役割を果たし、「〜ということ」という意味を表します。

接続詞のthatの基本構造:that + S + V
接続詞thatの特徴
  • 主節の動詞の内容を説明する
  • しばしば省略可能
  • 思考、発言、感情、事実などを表現する文に使用
よく使われる動詞
  • say(言う):She said (that) she would come.
  • think(思う):I think (that) this is correct.
  • believe(信じる):We believe (that) he is honest.
  • know(知っている):I know (that) you are busy.
  • feel(感じる):I feel (that) something is wrong.

関係代名詞のthat:名詞を詳しく説明する

The computer that crashed yesterday has been repaired.
(昨日クラッシュしたコンピューターは修理されました)

この文のthatは関係代名詞として使われています。関係代名詞のthatは、直前の名詞(先行詞)を修飾し、その名詞について詳しい情報を提供します。

関係代名詞の基本構造:名詞 + that + V
The computer that crashed yesterday has been repaired.
関係代名詞のthatが目的格の場合は名詞 + that + S + VThe movie that we watched was interesting.

関係代名詞thatの特徴
  • 先行詞(人・物両方)を修飾
  • 主格・目的格両方で使用可能
  • 省略できる場合がある(目的格の時)
  • 制限用法でのみ使用
例文で見る使い方
  • 主格:The book that is on the table is mine.(テーブルの上にある本は私のものです)
  • 目的格:The movie (that) we watched was interesting.(私たちが見た映画は面白かった)

見分け方のポイント

位置で判断
  • 接続詞のthat:動詞の直後に現れることが多い
  • 関係代名詞のthat:名詞の直後に現れる
省略
  • 接続詞のthat:省略しても文の意味が通じる
  • 関係代名詞のthat:省略すると修飾関係が不明確になる場合がある
意味での判断
  • 接続詞のthat:「〜ということ」と訳せる
  • 関係代名詞のthat:「〜する/した」と訳せる

お礼

thatの二つの用法を理解することは、英語の文構造を深く理解することに繋がります。接続詞のthatは思考や発言を表現し、関係代名詞のthatは名詞を詳しく表現します。

質問をしていただくことにより、実は私も詳しく説明できなかった部分に気付くことができました。私は英文を多く覚え、「パターン」で理解しているので、「説明」が追い付かない部分があります。学習者様の質問は、立ち止まり、内容を整理するきっかけになりました。ありがとうございました。

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